重要な役目を担うケアマネ

まず、ケアマネージャーは情報収集の上、要介護者の人物像を把握します。生活上で何ができるのか・何に困っているのか・個人の自己実現の達成を目指すには何のサービスが必要かについて、介護過程の思考過程を辿っていくのです。頭の中で、アセスメントして考えに考え、それぞれに合ったケアプランを立てていきます。
そこで重要なのが、カンファレンスです。このカンファレンスでは、医師を含め要介護者を取り巻く全ての人の意見を聞くことになります。時には、要介護者の意見とその家族の意見が全く異なる場合もあるのです。もちろん、他職種とも連携を図るため、専門知識が異なる他職種の意見もまとめて作り上げていかなければなりません。
例えば、介護職から「この要介護者は麻痺があり、食事の際に体が傾きクッションが必要だ」といわれたとします。そして、それを理学療法士に伝えると、リハビリのためにクッションはなしでお願いしますという場面もあるようです。そこで、どちらも考えは合っているけど、要介護者にとってどれが安全安楽であり自己実現に繋がるのか、判断しなければならないこともあります。大勢の人の中でケアプランを作成していくため、相当なストレスが考えられます。しかし、精神面が強い人が向くかというと、そうではありません。コミュニケーションが豊かで、人間関係を築きやすい人が向いているようです。
ケアマネージャーはケアプランの中心核とはなりますが、人々のクッションの役目も補わなければなりません。まず第一は、アセスメントから要介護者の意見を取り入れていくことが大切です。その思いだけを外さなければ、人間関係の中のストレスも緩和されるでしょう。